ゴムの接合・加工技術には、溶剤や熱を用いる溶着加工や、接着剤を用いる接着加工など、様々な接合方法があります。
しかしながら、シリコンゴムには非接着性の特性があるため、溶着や接着による接合が困難となります。
このページでは、シリコンゴムの接合方法の種類とシリコンゴムの溶着、シリコンゴムの接着、それぞれの違いや特徴について解説します。
シリコンゴムの接合方法
シリコンゴムは非接着性の特性を持つ素材のため、溶着加工や接着加工を行うことが困難でした。
しかしながら、特殊な技術や溶剤・接着剤を使用することで接着や溶着を行うことができます。
シリコンゴムの溶着
シリコンゴムの溶着には、溶剤・溶着剤による溶着と、熱などを加えて素材を溶かして接合する溶着方法があります。
溶剤を使用したシリコンゴムの溶着
溶剤・溶着剤を用いることでシリコンゴムを溶かし、それぞれを一体化して接合する方法です。
接着剤にも溶かして接着する方法もあるため、同じ方法だと言えます。
溶剤を使用しないシリコンゴムの溶着
溶剤を使用しない溶着は、接合面に特殊なエネルギーを加えて溶かすことで接着させる溶着方法です。
シリコンゴムは熱硬化性樹脂のため、熱を加えると硬化してしまいシリコンゴムの特性が失われる可能性があります。そのため、特殊な技術が必要となります。
また、素材自体を一体化させるため、接着や溶剤による溶着に比べて強い接合になる可能性が高くあります。
接着剤・両面テープの接着や溶剤で溶かしての溶着とは違い、その他の素材を添加しないため、シリコンゴムの耐薬品特性や機械特性が維持されたままの部品を製作することができます。
※木野機工ではシリコンゴムの溶着加工品の製造を行っています。詳しくは、「▼シリコンゴム溶着加工品」を参考にしてください。
シリコンゴムの接着
シリコンゴムは、専用の特殊な接着剤や両面テープを使用することで接着加工を行うことができます。
接着剤による接着
プライマーと呼ばれる接着剤を馴染ませる下塗り剤と、接着剤を用いてシリコンゴムを接着します。
シリコンゴム同士の接着をはじめ、接着剤によっては異種材との接着も可能です。
しかしながら、接着剤はシリコンゴムと全く同じ素材ではないことが多く、使用環境によってはシリコンゴム本来の特性が接着剤によって損なわれる可能性があります。
また、食品衛生法に適合したシリコンゴムであっても、接着剤が食品衛生法に適合しているとは限らないため、接着加工によって成形した部品を食品工場内などで使用する際は注意が必要です。
※木野機工では食品衛生法に適合した接着剤によってシリコンゴムの接着接合を行います。詳しくは、「▼接着加工に用いる接着剤について」を参考にしてください。
両面テープによる異種材への接着
シリコンゴム用の両面テープは、ポリエステル基材などの基材の両面に粘着剤をコーティングすることで対象物を接着します。
シリコンゴム同士を接着する場合は、両面にシリコンゴムに適した粘着剤を、異種材との接着の場合はその素材にてきした粘着剤がついた両面テープを採用することで接着効果が効果的になります。
接着剤と同じように基材の材質や粘着剤はシリコンゴムとは違う構成素材であるため、使用環境によってはシリコンゴム本来の特性が両面テープによって損なわれる可能性があります。
まとめ
シリコンゴムの接着と溶着についてご理解いただけましたか。
木野機工株式会社では、特殊シリコンゴムを独自の接着剤や独自の溶着方法を用いて成形・加工しています。
詳しくは各種加工・成形方法によって製作される「▼加工・成形品」をご覧ください。
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