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シリコンゴムの劣化について解説。シリコンゴムの物質的劣化

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シリコンゴムは劣化に強いゴムだといわれています。しかしながら、劣化にはさまざまな種類があり、一概に劣化しにくいといってもどのような状況下で劣化しないかはわかりません。

このページでは、シリコンゴム(Silicone Rubber)の劣化について、物質的変化に焦点をあてて解説します。

劣化とは

素材の劣化は、一般的には物理的劣化を示します。

物質的劣化とは、時間の経過による化学的・物質的に品質や特性が損なわれることです。

また、物質的劣化には、下記のようなものがあります。

  • 摩耗による劣化
  • 腐食による劣化
  • 自然環境での劣化

そのため、シリコンゴム(Silicone)の劣化については、物質的耐性があるかどうかについて考えていきたいと思います。

シリコンゴムの劣化

シリコンゴムは劣化がしにくいゴム素材と言われています。

その理由は、対候性に極めて優れた特性を持ち、コロナ放電によって発生するオゾンでもシリコンゴムはほとんど影響を受けないためです。

シリコンゴムの摩擦による劣化

シリコンゴムの耐摩耗性は一般的にあまりよくありません。

そのため、摩擦による劣化が起きやすいと考えられます。

しかしながら、ブレンドや添加物を加えることで摩擦係数が低く、摩擦による劣化に優れたシリコンゴムも存在します。

シリコンゴムの腐食による劣化

腐食とは、溶剤や薬品により物質的な変化を起こすことです。

シリコンゴムは、耐溶剤性・耐薬品性に優れた特性を持っており、極性有機化合物に強く、アルコールやアニリン、希酸、希アルカリにほとんど侵されません。

ベンゼンやトルエンなどの無極性有機化合物に触れると膨潤しますが、材質の分解や溶解がなく溶剤・薬品を取り除けば元の状態に戻ります。

そのため、溶剤・薬品による腐食に強く、劣化しにくいといえます。

シリコンゴムの自然環境での劣化

自然環境での劣化には、熱や寒さによる劣化(耐熱性・耐寒性)、オゾンによる劣化(耐候性・耐オゾン性)、水による劣化(耐水性・耐スチーム性)があります。

シリコンゴムの耐熱性・耐寒性

シリコンゴムは、耐熱性・耐寒性に極めて優れた特性を持っており、150℃ではほとんど特性に変化が無いため、この温度帯では半永久的に使用することが可能です。

そのため、熱や寒さによる劣化に強い素材だといえます。

シリコンゴムの耐候性・耐オゾン性

シリコンゴムは、対候性に極めて優れた特性を持っており、コロナ放電によって発生するオゾンでもシリコンゴムはほとんど影響を受けません。

そのため、大気中にさらしても劣化しにくいといえます。

シリコンゴムの耐水性・耐スチーム性

シリコンゴムは、長い時間の間、水に漬けても吸水量が1%ほどと、耐水性に極めて優れた特性があり、冷水、温水であっても吸水量はかわらず、強度や特性にほとんど影響しません。

そのため、水による劣化に強い素材といえます。

まとめ

いかがでしたか。

ここで紹介した劣化は、一般的なシリコンゴムの劣化についてです。

添加物などを加えることで、様々な劣化に強いシリコンゴムも存在します。

用途に合った劣化に強いシリコンゴムを探してみてください。

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