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チオコールとは?チオコールLPやチオコール社について

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チオコールと聞いて、どのようなゴムを想像しますか?

このページでは、チオコールの意味や特徴、チオコール社やチオコール社の歴史について解説します。

チオコールとは

チオコール(Thiokol)とは、ポリサルファイド系ポリマー・多硫化ゴムの商品名のことです。

語源としては、ギリシア語で硫黄を意味するΘειο(theio)と接着剤を意味するκολλα(kolla)を合わせた造語からきました。

日本国内では、東レ・ファインケミカル株式会社がチオコールLPの商標で販売を行っているため、チオコールと呼ばれますが、工業分野やロケット関連分野など一般的には、サイオコールとカタカナで書かれます。

チオコールLPとは

チオコールLP(ポリサルファイドポリマ)は透湿性が小さく、耐薬品性、耐油性に優れた液状ゴムです。硫黄を骨格に持つ特異なポリマとして多種多用途のシーリング材に使用されています。
さらにエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂その他の樹脂・ゴムに対して柔軟性、耐久性、耐候性を付与する変性剤としても使用されます。

チオコールLP|東レ・ファインケミカル株式会社

チオコールLPの構造・化学式・特性

チオコールLPは、主鎖にジサルファイド結合を持ち、またわずかに分岐を持つ末端がチオール基の液状ポリマーです。

化学式

HS-(C2H4-O-CH2-O-C2H2-O-C2H4-S-S)n-C2H4-O-CH2-O-C2H4-SH

チオコールLPの特性

耐油性、耐溶剤性、耐薬品性

“チオコールLP”硬化物は、各種の油、溶剤、酸、アルカリに対する抵抗性が優れています。

耐候性

“チオコールLP”配合硬化物は、長時間のウェザーメーター試験及び長期の屋外暴露試験により、耐候性、耐オゾン性、耐老化性に優れていることが実証されています。

電気特性

“チオコールLP”配合硬化物は優れた電気特性を持っています。

水蒸気遮断性

“チオコールLP”配合硬化物は水蒸気、ガスに対して優れた遮断性を持っています。

使用温度範囲

“チオコールLP”配合硬化物の使用温度範囲は一般的には-50℃~150℃ですが、約3時間以内の短期であれば170℃まで使用可能です。

金属に対する腐食性

“チオコールLP”は金属に対する腐食性がないため、適切な配合剤を使用した“チオコールLP”配合物・硬化物とも金属を発錆させたり腐食させることはありません。

チオコールLP|東レ・ファインケミカル株式会社

チオコール・ケミカル社とは

チオコール・ケミカル社は、1929年に設立されたアメリカ合衆国の企業です。1931年に多硫化ゴム「チオコール」を開発し、製造・販売が始められました。

設立当初は、合成ゴムとポリマー・シーラントの製造会社でしたが、現在は、ATKランチ・システムズ・グループと名称を変え、ロケット関連の事業を行っています。

チオコール・ケミカル社の社名変更

チオコール・ケミカル社から現在のATKランチ・システム・グループになるまでには下記のような合弁・合併などを繰り返しました。

  • サイオコール・ケミカル(Thiokol Chemical Company)
  • モートン-サイオコール(Morton-Thiokol Inc.)
  • コーダント・テクノロジー(Cordant Technologies Inc.)
  • サイオコール・プロパルション(Thiokol Propulsion)
  • ATKサイオコール(ATK Thiokol)
  • ATKランチ・システムズ・グループ(ATK Launch Systems Group)
  • ATKエアロスペース・グループ(ATK Aerospace Group)
  • オービタルATK(Orbital ATK Inc.)
  • ATKランチ・システム・グループ(ATK Launch Systems Group)

多硫化ゴム(T)とは

多硫化ゴムは、有機ハロゲン化合物と多硫化アルカリとの縮合反応などにより得られる合成ゴムの一種です。

このページで解説しているようにチオコールの名前で広く知られている多硫化ゴムですが、チオコールは商品名であるため注意が必要です。

多硫化ゴムはどんなゴム?

多硫化ゴムは、耐油性、耐溶剤性、耐水性、耐疲労性に優れたゴムです。

国内では、固体状ではあまり使用されておらず、液状の多硫化ゴムが80%以上を占めているといわれています。用途としては、弾性シーリング材、道路などの目地シールなどです。

特性

耐熱性 80℃
耐寒性 10℃
耐老化性
耐オゾン性
耐候性
耐炎性 ×

多硫化ゴム T(チオコールゴム)|ゴムの種類 全18材質の概要、特徴・特性を解説

まとめ

チオコールについてご理解いただけましたか?

世の中にはたくさんの種類のゴムがあります。

その他のゴムについては「ゴムの種類 全18材質」を参考にしてください。

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